企業によるビットコイン資産保有トレンドに警鐘:スカラムッチが指摘する現実的課題

公開日:2025年07月03日 18:27
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企業財務の世界では近年、ビットコイン(BTC)を財務資産としてバランスシートに組み入れる傾向が見られる。この動きについて、米ヘッジファンドSkyBridge Capitalの創設者アンソニー・スカラムッチ氏は、企業によるビットコイン資産保有トレンドが短期で終息する可能性があると警鐘を鳴らした。同氏はブルームバーグのインタビューで「ビットコイン保有で価値を生むという企業モデルは今後数ヶ月で勢いを失う」と指摘。これはビットコインそのものを否定するものではなく、ほとんどの企業にとって主要な財務戦略としての妥当性を現実的に評価したものだ。

マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏のような成功例は例外的だとスカラムッチ氏は分析。同社がビットコイン投資で成功している背景には、企業分析ソフトウェアなど複数の収益源がある点を強調し「大多数の企業が同様の戦略を模倣することは困難」と述べた。

企業にとってビットコイン保有戦略が抱える根本的な課題として、(1)価格変動リスク(2)投資家からの厳しい評価(3)本業からの注意散漫(4)規制不確実性―の4点を指摘。最終的に市場は「デジタル資産ポートフォリオではなく、本業による価値創造」を求めるようになると予測している。

ただし、スカラムッチ氏はビットコイン関連戦略の全てを否定しているわけではない。国際送金における利用やWeb3分野での戦備的保有、分散型財務戦略の一部としての少量保有など、本業と整合した利用形態なら持続可能だとしている。同氏の指摘の核心は「投機だけに依存せず、本業の収益力とイノベーションで真の価値を生み出すことが重要」という投資の基本原理だ。
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