マイケル・セイラーのストラテジー社、ビットコイン投資リスク隠蔽で集団訴訟提訴

公開日:2025年07月03日 19:28
閲覧数:515
ニューヨークの法律事務所ポメランツLLPは、ビットコイン専門企業であるマイケル・セイラー氏率いるストラテジー社に対し、同社の暗号資産投資戦略に関する収益性とリスクについて投資家を欺いたとして、集団訴訟を提起しました。

主なポイント:
・ポメランツはストラテジー社がビットコインリスクを隠蔽したと主張
・訴訟の焦点は新公正価値会計基準の影響開示怠り
・未実現損失59億ドル開示で株価8%急落

バージニア東部地区裁判所に提出された訴訟は、2024年4月30日から2025年4月4日までにストラテジー株を購入した株主を代表するもの。投資家は7月15日までに訴訟参加の意思表明が可能です。

ポメランツによると、ストラテジー社はビットコイン財務戦略のメリットを過大評価し、大規模なビットコイン保有に伴うボラティリティとリスクを過小評価したと主張しています。

訴訟は同社の公的声明が「実質的に虚偽かつ誤解を招く」ものであり、潜在的損失について投資家に警告せずに財務実績を歪めて提示したと指摘。特に、ASU 2023-08に基づく新会計基準の採用問題が焦点で、四半期ごとに暗号資産を時価評価する新ルールの財務影響を適切に説明しなかったと批判しています。

2025年第一四半期決算でストラテジー社は公正価値会計モデル採用により59億ドルの未実現損失を開示。この発表で株価は8%急落し、訴訟が指摘するボラティリティリスクが現実のものとなりました。

2020年にビットコイン蓄積へ経営方針転換した旧マイクロストラテジー社は、上場企業最大のビットコイン保有企業(597,325 BTC)に成長。この戦略で株価は過去5年で3,300%以上上昇し、メタプラネットなど他社も追随する現象を生みました。

一方で伝説的ショートセラー、ジム・チャノス氏は先月、セイラー氏のビジネスモデルを「財務的ナンセンス」と酷評。バンエックのマシュー・シーゲルデジタル資産研究部長も、上場企業のビットコイン財務戦略について株主への悪影響を懸念しています。
関連タグ
ビットコイン マイケル・セイラー マイクロストラテジー ストラテジー社 暗号資産訴訟