トランプ氏関連暗号資産事業が純資産に620億円追加　特製トークン販売で390億円獲得

トランプ氏と関連する暗号資産事業がわずか数ヶ月で少なくとも620億円（6億2000万ドル）の純資産増加に貢献したことが明らかになった。World Liberty Financial（WLF）やトランプ・ミームコインといったプロジェクトが牽引している。ただし、ホワイトハウス復帰後のドナルド・トランプ米大統領の総資産額は、選挙当日時点の65億ドルから現在64億ドルと大きな変化は見られない。

資金源が急速に転換する中、トランプ一族は現代金融史上でも類を見ないほど攻撃的で収益性の高い暗号資産分野への参入を密かに進めていた。一方、OFFICIAL TRUMPコインの価格は過去30日間で20％下落している。

レポートによると、トランプ家はトークン販売から3億9000万ドル（約390億円）を獲得。これまで不動産プロジェクトから香水ボトル、マットレスまで、ライセンス契約でブランドを収益化してきた同家だが、暗号資産ではより迅速かつ大規模な収益を得ている。昨年の不動産ライセンス収入3400万ドルに対し、今回のトークン販売とトランプ氏の名声・MAGAブランドを原動力とするデジタル資産企業からの収入は桁違いだ。

トランプ・オーガナイゼーションのエリック・トランプ副社長は「かつてないほど強力な状況」とコメント。12月以降、エリック氏とドン・ジュニア氏はアブダビ、ワシントン、ドバイ、ラスベガスで暗号資産イベントに参加し、政治的影響力をデジタル通貨ブームに転換している。

最も収益性が高いのはWorld Liberty Financial（WLF）で、トランプ・ブランドのトークンとUSD1と呼ばれるステーブルコインを提供。550億円のトークン販売実績があり、うち約390億円がトランプ家の懐に入った。さらに225億枚のWLFトークンを保有しており、理論上は2000億円以上の価値を持つ。現時点ではこれらのトークンは移転できない仕様だ。

6月にはトランプ家がWLFの保有比率を60％から40％に引き下げたことが判明。一方、USD1ステーブルコインはアブダビのMGXがバイナンスへの20億ドル投資に使用すると発表し注目を集めた。現在、バイナンス創設者のCZ（チャンペン・チャオ）氏がジャスティン・サン氏らと共にWLFのアドバイザーに名を連ねている。

TRUMPコインの総供給量の80％はトランプ関連団体が保有。ブルームバーグ推定でトランプ氏の持分はすでに150億円の価値がある。直近24時間で約5％上昇したものの、最高値75.34ドルからは88％下落したまま。トランプ氏は5月、TRUMPコイン上位220保有者をゴルフクラブに招きディナー会を開催しプロモーションを行った。