暗号業界を浸透する北朝鮮ハッカーの脅威 専門家が衝撃の実態を暴露

公開日:2025年07月03日 20:30
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暗号資産業界は、その革新性と分散型の特徴が称賛される一方で、国家が関与する浸透工作という深刻な脅威に直面しています。著名なオンチェーン調査機関ZachXBTによって明らかにされた最新報告書は、世界中の正規暗号企業内に潜り込んだ北朝鮮ハッカー集団の驚くべき規模を暴き、業界に衝撃を与えました。これは単なる外部からの攻撃ではなく、デジタル資産市場の信頼とセキュリティ基盤を揺るがす前例のない内部リスクを示しています。

■ZachXBT調査が明らかにした北朝鮮ハッカーの危険な浸透実態
調査によると、北朝鮮の工作員と見られる345~920名の個人が、世界の暗号関連企業においてIT・開発職として採用されていたことが判明しました。これらの人物は単なる下位社員ではなく、機密システムや知的財産にアクセス可能な重要ポジションに配置されているケースが多かったのです。彼らは1650万ドル以上の給与を不正に吸い上げており、これらの資金が北朝鮮政権の違法活動に充てられていると見られています。さらに驚くべきは、複数の職を掛け持ちするケースが多く、収益最大化と同時に複数プラットフォームへのアクセス権獲得を図る手法です。

■暗号業界が標的となる理由
経済制裁下にある国家主体にとって、迅速な取引とグローバルな到達性を特徴とする暗号資産は格好の標的です。特に北朝鮮のラザルス・グループなどのサイバー犯罪組織にとって、暗号資産は単なるデジタル資産ではなく「生命線」となっています。ハッキングで得た資金は、核兵器開発プログラムなどの資金源として利用されているのです。

■セキュリティ対策の強化が急務
調査報告は、暗号企業が採用プロセスの脆弱性を改善する必要性を強く指摘しています。特にリモートワークが一般的な業界特性を悪用されないよう、厳格な本人確認(KYC/AML)の適用、ゼロトラスト・セキュリティモデルの導入、多要素認証の徹底などの対策が不可欠です。また、従業員のセキュリティ意識向上トレーニングや不審な行動パターンの監視システム構築も重要です。

今回の調査結果は、暗号業界全体の信頼性と規制環境に重大な影響を与えるものです。業界の自主的なセキュリティ対策強化が、より厳格な規制を回避しつつ健全な成長を促す鍵となるでしょう。
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