スタンダードチャータード銀、マレーシア国富基金スキャンダルで27億ドルの訴訟提訴

公開日:2025年07月03日 20:42
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英銀スタンダードチャータードのシンガポール拠点に対し、同社が詐欺を可能にし27億ドル以上の損失を引き起こしたとして、清算人が訴訟を提起したと報じられた。この訴えは、2009年に発覚したマレーシア国富基金「1マレーシア開発会社(1MDB)」から45億ドルが横領された事件(1MDBスキャンダル)に端を発する。ロイター通信によると、スタンダードチャータードは「新たなシンガポール訴訟の主張を強く否定した」と表明。金融サービス大手クロールの清算人らが提起した本件訴訟では、同英銀が1MDB詐欺を助長したと主張している。スキャンダルに関連する3つの清算会社によると、スタンダードチャータードは2009年から2013年にかけて警戒信号を無視し、100件以上の銀行内送金を処理。これが1MDB資金の隠蔽に寄与したという。清算人は「本訴訟によれば、これらの送金は重大な違反と管理不全を示しており、当時のマレーシア政府高官らによる公金横領を可能にした」と説明。スタンダードチャータードはロイターに対し、清算会社側の主張は「根拠がない」と反論した。今年初めには、ゴールドマン・サックスの元行員ティム・ライスナーが、数十億ドル規模の横領事件への関与で禁錮2年の判決を受けている。
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