ロシア保険会社がビットコインETF連動の生命保険を開始

公開日:2025年07月03日 21:33
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ロシアの保険会社が、時価総額第1位の暗号資産ビットコイン(BTC)の価値に連動する投資型生命保険商品の提供を開始した。中央銀行が分散型デジタル資産に基づくデリバティブ販売を許可して以降、同国で拡大する暗号資産関連投資機会の新たな選択肢となる。

ビットコインETF連動の保険商品2種が登場
ロシアメディアBits.mediaによると、レネサンス・ライフとBKS生命保険の2社が暗号資産関連投資商品を発表。レネサンス・ライフは「Cryptocapital」プログラムの一環として、ビットコイン価格に連動する米国上場ETF(IBIT)の成長率に基づき最大60%のリターンを保証する生命保険を提供。最低150万ルーブル(約190万円)の頭金が必要で、契約期間は2年間となっている。

同社CEOオレグ・キセレフ氏は「投資額が150万ルーブルでビットコイン価格が2倍になれば、税引き前240万ルーブル(約300万円)を受け取れる」と説明。暗号資産価格が下落した場合でも元本保証を行うと約束した。一方、BKS生命保険は3年契約のビットコインETF先物連動商品を最低300万ルーブル(約380万円)から提供。契約期間中、市場状況に応じて投資ポートフォリオの構成比率を柔軟に変更可能だ。

モスクワ証券取引所が商品基盤を拡充
これらの保険商品のリターンは、モスクワ証券取引所(MOEX)で取引されるブラックロック社のiShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)先物の値動きに連動。ロシア中央銀行が5月末に「高度に専門的な投資家」向け暗号資産デリバティブ取引を承認した受け、同取引所は6月にビットコイン先物取引を開始。管理資産規模世界最大のビットコインETFであるIBITを原資産とする商品を上場させた。

6月後半には主要暗号資産取引所の価格データに基づく新指数「MOEX Bitcoin Index(MOEXBTC)」を導入。マリア・パトリケエバ取締役は「現行規制のもとで暗号資産連動証券を原資産とする金融デリバティブ商品の拡充を進めている」と表明。IBIT先物はすでにロシア先物市場で取引量トップ30入りしており、6月4日上場以降の1日平均取引高は10億ルーブル(約1.27億円)に達している。

同取引所は今後、イーサリアムETF連動商品など新たな暗号資産関連商品の導入も検討。ただしロシア財務省と中央銀行は、暗号資産および関連デリバティブへのアクセスを認定投資家に限定する方針を堅持している。一方で推計によれば、ロシア国内の暗号資産保有額はすでに250億ドル(約3.5兆円)を超えている。
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