アブダビがHSBC・FABと債券トークン化プロジェクト開始、RWA市場拡大に拍車

公開日:2025年07月04日 10:33
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アブダビ証券取引所(ADX)は25日、中東・北アフリカ(MENA)地域初のブロックチェーン基盤債券上場準備を発表した。これは域内で加速するトークン化金融の動きを示す重要な一歩だ。発表によると、ファースト・アブダビ銀行(FAB)がHSBCのデジタル資産発行プラットフォーム「Orion」を活用して発行するこの債券は、分散型台帳技術(DLT)上で記録・取引される。投資家はブロックチェーン経由で直接債券を購入・保有可能となり、決済時間短縮、取引相手リスク低減、透明性向上が期待できる。ユーロクリアやクリアストリーム、香港の中央金銀市場決済機構など主要証券決済システム経由で、グローバル機関投資家がアクセス可能となる。

アブダビ政府は債券・不動産・ファンドなど現実世界資産(RWA)のトークン化戦略を推進中で、リップル、ボストンコンサルティンググループ、スタンダードチャータード銀行などの予測では、トークン化RWA市場規模は今後数年で数兆ドルに拡大する見込み。ADXグループCEOアブドゥラ・サーレム・アルヌアイミ氏は「本取り組みは機関向けデジタル商品へのアクセス拡大だけでなく、グリーンボンド、イスラム債券(スクーク)、不動産連動商品など幅広いトークン化資産の基盤整備になる」と強調した。
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